2023年1月27日金曜日

洗脳手伝ううち自分自身も洗脳

コラムを後で読み返したい時のために、書き起こして掲載しています。


私が気に入った新聞コラム

洗脳手伝ううち自分自身も洗脳 東京大学名誉教授・平川祐弘氏



東京大学名誉教授 平川祐弘氏

平川 祐弘(旧字体: 平川 祐弘、ひらかわ すけひろ、1931年〈昭和6年〉7月11日 - )は、日本の比較文学研究者、評論家。東京大学名誉教授、国家基本問題研究所理事。




洗脳手伝ううち自分自身も洗脳 東京大学名誉教授・平川祐弘


渡辺京二氏が熊本で歳末に亡くなった。『逝きし世の面影』(平成十年、葦書房)という情緒豊かな標題の書物で、日本が西洋化することで失った明治末年以前の文明の姿を追い求めた。この代表作が十七年に平凡社ライブラリーとして再刊され、解説を書いた。

「西洋人という鏡に映った旧日本の姿に新鮮な驚きを感じた渡辺氏の、イデオロギーや先入主にとらわれない、率直な反応が、美しい日本語に表現されていて、本書を価値あるものとした。共感は批評におとらず理解の良き方法である」


明治は「美化された幻影」か

九州で予備校講師を務めた著者は、学問の本道を進んだ人ではない。だが歩き方には力があった。滅んだ古い日本の姿をしのぶには、異邦人の証言に頼らねばならないとし、私たちは自覚しないが、西洋人がひとしく注目した明治初年の生活の特徴を、「陽気な人びと」「簡素とゆたかさ」「親和と礼節」等に分類、詳述した。

「外国人が見た日本」という視角について渡辺氏は指摘する。「日本の知識人には、この種の欧米人の見聞記を美化された幻影として退けたいという、強い衝動に動かされてきた歴史があって、こういう日本人自身の中から生ずる否認の是非を吟味することなしには、私たちは一歩も先に進めない」

なぜインテリは逝きし明治の面影を「美化された幻影」として退けるのか。それは敗戦後、占領軍の管理下で日本批判が繰り返され、知識層は日本が好(い)い国のはずはない、と自虐的に思いこんだからである。一例が中野好夫氏で、戦争中の愛国者は、一転、戦後民主主義の旗振りとなった。前非を悔いた東大英文科の有名教授は、以前は愛した小泉八雲ことラフカディオ・ハーンを戦後は全面的に否定し、ハーンがたたえた神道の国日本をぼろくそに難じた。

米英側では日本に帰化したハーンを敵国を美化した日本政府御用の裏切り者と非難した。『ケンブリッジ英文学史』はハーンは「全く無価値」と切って捨てた。そんな様だから、戦後の東大英文科出身者でハーンをまともに扱った人はいない。


トウダイモトクラシ

外国文学専攻の秀才は、本国の作家評価に敏感に反応する。戦前に英文科主任だった市河三喜氏が東大に集めたハーン関係資料は、篤志家の関田かをる氏が私費で出版助成するまで、誰も利用しなかった。トウダイモトクラシとはこのことだ。

劇作家でシェークスピアの翻訳者の木下順二氏も、中野氏に似た。木下氏の父はハーンから直接教わったが、木下氏本人は熊本中学五年生で百枚の小泉八雲論を校友会雑誌に寄稿した。中学で木下氏に英語を教えた丸山学氏は後に熊本商大教授でハーン研究の開拓者となるが、熊本の五高生だった木下氏は丸山氏の紹介で「八雲先生と五高」という記事を『九州新聞』に寄稿した(昭和十年四月『五高同窓会会報』に転載)。

この秀才は同十一年、東大英文科に進学、中野氏に師事し、昭和十年代を通じ、中野氏とハーンや演劇を論じ合い中野氏の勧めで『夕鶴』を書いた。民話に想を得るあたりハーンの刺激にちがいない。

ハーンの民俗学に着目した丸山氏の『小泉八雲新考』が平成八年に講談社学術文庫として再刊され、監修の木下氏にお会いしたが、かつて傾倒したハーンにすこぶる冷淡で「日本人が小泉八雲を好きなのは自己愛のあらわれ」と敗戦直後の中野氏と同じだった。

中野氏は敗戦直後に発した悪口を改め、筑摩書房の明治文学全集に小泉八雲の解題を書いたのに、と私は思った。来日外国人の日本観を「美化された幻影として退ける」と渡辺氏が言ったのは、木下氏も念頭にあってのことだろう。


占領下の検閲で歪んだ日本観

だが占領下の報道制限と検閲で一番被害を蒙(こうむ)ったのは、ハーンよりもハーンが良しとした神道だ。日本の宗教文化についての発言は厳しくコントロールされ、米軍が「神社神道」を改名した「国家神道」なるものに対し知識人は悪口を言うべきもの、という社会通念が固着した。戦後の閉ざされた言語空間で培養された蛸壺(たこつぼ)史観の持ち主の一人は、昨年も『文藝春秋』で神道について歪(ゆが)んだ見方を述べた。占領軍の検閲・宣伝工作の後遺症は恐ろしい。

それだけに令和三年に刊行された山本武利著『検閲官 発見されたGHQ名簿』(新潮新書)には愕然(がくぜん)とした。なんと占領下、中野氏の紹介で木下氏が検閲官として連合国軍総司令部に勤務したことが詳述されていたからである。

山本氏の調査は仮借ない。読んで陰鬱(いんうつ)になった。日本の多くの英才は「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない」という憲法に違反する仕事をしながら、検閲する自分を正当化した。

彼らは日本独立後も、戦後の閉ざされた言語空間の枠を維持し続けた。同胞の洗脳を手伝ううちに、自分自身が洗脳されてしまった人たちだったのである。(ひらかわ すけひろ)


日本が西洋化することで失った明治末年以前の文明の姿はどんなだったのだろうか?
非常に興味がありますね。








物に棲む歳月と記憶 詩人和合亮一

 

私が気に入った新聞コラム・本ナビ

『旅行鞄のガラクタ』伊集院静著  


詩人・和合亮一『旅行鞄のガラクタ』 物に潜む歳月と記憶


私の好きな作家伊集院静氏の『旅行鞄のガラクタ』の紹介コラムです。




紹介者は詩人の和合亮一氏。

詩人ならではの感性の紹介ですね。


詩人 和合亮一氏

和合 亮一(わごう りょういち、1968年8月18日 - )は、日本の詩人、ラジオパーソナリティ、高校教員。福島県福島市出身。福島市生まれ、福島市在住。



物に潜む歳月と記憶 詩人・和合亮一


旅先で、例えば小石だったり、美しい瓶だったり、小さな置物だったり…、ふと持ち帰ってしまう癖がある。子供の頃から何かを拾ってきては自分だけの宝物としてしまっておくことを繰り返してきたが今も変わらない。

執筆の合間にそれらを取り出して手触りを確かめてみたりする。しばらくするとまた筆を握ろうとする自分に気づく。小さな力が宿っているに違いないと信じている。

伊集院静はこれまで様々(さまざま)な国内外の旅をしてきた。世界をめぐって出会った人々や、かけがえのない家族や友人とのエピソード、ギャンブルやお酒で失敗してしまった話などが、この一冊の中によく登場する。旅の達人の隣の席に座って、よもやま話にあれこれ耳を傾けている気分になる。

彼は土産などは買わない主義であるが、いつしか鞄(かばん)の中に収められるようなふとした物を、あたかもその土地の木に実っている美しい果実を貰(もら)い受けるかのようにして、しまいこんできた姿がある。

それを「ガラクタ」と称しているが、貝殻だったり、人形だったり、何かのカードだったり…。とても共感できてしまう。一つずつ深い記憶が眠っていて、作家の語り口により、しだいにそこに込められた歳月がはっきりと目覚めていくような印象がある。

例えば琵琶湖の近くで見つけたヒシの実がある。彼は小説を2冊まで出したが筆を折ることを考える。水底で必死に草木になろうとしている1個の種。何事かを教えられたと彼は直感する。「以降、三十数年戒めとして、いや教えとして、このガラクタは私の仕事場の隅でずっと草木になる夢を見て息を潜めている」。小さな物の一つ一つと彼の表情が写真と文章で手に取るように深く見えてくる。


やっと本を購入できて、まえがきを読み始めました。
いきなりイタリアフィレンツェのヴァッキオ宮殿が出てきて、良いですね。
伊集院氏の感性がそのままでているような紀行文章です。

これからじっくりと本編読みます。いい本に出合えました。









2023年1月25日水曜日

初めて描いたオートシェイプ画

オートシェイプ画は、Excelで面と線の積み重ねで描くイラストです。なかなか面白い絵が描けます。 主に、猫・JAZZミュージシャン・POPミュージシャン・野鳥・花・人物・ポスター画等のオートシェイプ画を制作しています。



オートシェイプ画イラスト制作

2016年に、初めて描いたオートシェイプ画 



●初めてのロゴマーク ECO住宅ロゴマーク





その他、初めて描いたジャンル


●初めての静物画 梅雨




●初めてのポスター画 2点

建長寺ポスター

円覚寺ポスター



●初めての野菜 茗荷図




●初めての住宅 ソルトBOX住宅



それから、いろいろと勉強して、描く範囲が広がっていきました。

制作は現在も、色々試行錯誤で継続中です。








2023年1月24日火曜日

アラハシラガゴケ/粗葉白髪蘚

 

苔テラリウム制作

新しく増やした

アラハシラガゴケ/粗葉白髪蘚

昨日の片岡球子展の帰りに購入しました。

密集させて山状に植え付けるのがよいようだが・・。















アラハシラガゴケ/粗葉白髪蘚【蘚類シラガゴケ科】

ホソバオキナゴケやオオシラガゴケと同じシラガゴケ科のコケ。ホソバオキナゴケと共に「山ゴケ」の名前で流通している。乾くと葉先がやや白っぽくなるのが特徴。

これからの成長がたのしみですね。








2023年1月23日月曜日

たちむかう絵画 片岡球子展

 

コロナ禍自粛を解禁して

好きな画家片岡球子氏の「片岡球子展」に行ってきました。そごう美術館です。


たちむかう絵画 片岡球子展

片岡球子の「面構(つらまがえ)」44点が勢ぞろい



そごう美術館 展示会入り口の看板



2016年に神奈川県立近代美術館で観て以来、2回目の「片岡球子展」です。
「面構」作品全44点の展示で、非常に良かったです。

私の好きな「徳川家康公の面構」も2016年以来2回目の鑑賞でラッキーでした。
今回は記念に「片岡球子・生涯と作品」の画集も購入、こちらは、これからじっくり鑑賞します。


片岡球子 生涯と作品 の画集



日本画家 片岡球子氏

片岡球子は1905(明治38)年札幌市生まれ。61歳で愛知県立芸術大学開校に際し日本画科主任教授就任、若い学生とともに新たな日本画を目指す決意のもと「面構」シリーズを制作開始しました。「面構」は2004(平成16)年まで38年間44点を出品したライフワークです。


展示会のカタログの挿絵


とにかく素晴らしかった。
少しでも自分のイラスト制作のヒントになればいいのだが。








「SDGsの大嘘」池田清彦著

 

読後画像制作

SDGsの大嘘  池田清彦著


「脱炭素」は欧州のペテン

”環境ビジネス”で丸儲けしている人々の正体
地獄への道は善意で敷き詰められている

環境問題にメスを入れた本、大変参考になりました。



生物学者 池田清彦氏

池田 清彦(いけだ きよひこ、1947年7月14日 - )は、日本の生物学者、評論家。早稲田大学名誉教授、山梨大学名誉教授。理学博士(東京都立大学)。高尾599ミュージアム名誉館長。構造主義を生物学に当てはめた構造主義生物学の支持者のひとりとして知られている。また、科学全体に構造主義を当てはめた「構造主義科学論」も唱えており、その視点を用いつつ科学論、社会評論等も多数行っている。昆虫採集マニアでもあり、昆虫についての著作も多い。西條剛央、京極真とともに、構造構成主義研究シリーズの編集委員を務める。また養老孟司や奥本大三郎とは昆虫採集を共通の趣味として親交があり、共著が数冊ある。






国連が、持続可能な開発目標として⒘のゴールを掲げてからというもの、世界ではSDGsを推進することこそが正しいとされ、政府も企業もこれに従うのが当たり前だという「正義の風」が吹き荒れている。
賛同するだけでも「いいことをした」と、また報酬系が働く。そんなことを続けるうちに、どんどん「SDGs中毒」に陥るのだ。SDGsは世界にとっても日本にとっても「地獄への一本道」である。一日も早く「SDGsの快楽」を断ち切って、正気にもどってもらいたい。


●人口を減らさない限り「資源の争奪戦」は終わらない
●SDGsはグローバル資本主義を続けた欧州の免罪符
●枯渇しつつある水産資源を中国が食べ尽くす
●実はエコではない「太陽光発電」と「風量発電」
●「CO2の増加が地球温暖化の原因」という大嘘
●利権のために科学的ファクトも「無視」する日本人
●実は地球にも環境にも優しい遺伝子組み換え作物
●「地熱発電」と「エネルギーの地産地消」が日本を救う


核心をついた、なかなかいい本でした。








2023年1月22日日曜日

SOMETHIN ' ELESE ジャケットをデザインしました

 オートシェイプ画は、Excelで面と線の積み重ねで描きます。なかなか面白い絵が描けます。 主に、猫・JAZZミュージシャン・POPミュージシャン・野鳥・花・人物・ポスター画等のオートシェイプ画を制作しています。


オートシェイプ画イラスト制作

SOMETHIN' ELESE ジャケットをデザインしました。






今まで描いた、
CANNONBALL ADDERLEY、
MILES DAVIS、
HANK JONES、
SAMJONES、
ART BLAKEY、
の5人のメンバーの原画を採用。




このアルバムは、大好きなアルバムです。

いいですね。








洗脳手伝ううち自分自身も洗脳

コラムを後で読み返したい時のために、書き起こして掲載しています。 私が気に入った新聞コラム 洗脳手伝ううち自分自身も洗脳  東京大学名誉教授・平川祐弘氏 東京大学名誉教授 平川祐弘氏 平川 祐弘(旧字体: 平川 祐弘、ひらかわ すけひろ、1931年〈昭和6年〉7月11日 - )は...