2025年6月17日火曜日

日本文化について レヴィ=ストロース氏


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日本文化について レヴィ=ストロース氏


フランスの社会人類学者:レヴィ=ストロース氏(1908‐2009)が

YouTubeで、「日本文化の特徴」を論じています。

書き起こして掲載します。


外国の人が日本人より日本のことを理解している。

驚きました。すごい人物ですね。

日本人はもっと、日本の文化について勉強しなければいけませんね。

日本人の価値判断能力も、もう一度取り戻す必要があるように感じます。



フランスの社会人類学者、民族学者 クロード・レヴィ=ストロース

クロード・レヴィ=ストロース(Claude Lévi-Strauss、1908年11月28日 - 2009年10月30日)は、フランスの社会人類学者、民族学者。ベルギーのブリュッセルで生まれ、フランスのパリで育った。コレージュ・ド・フランスの社会人類学講座を1984年まで担当し、アメリカ先住民の神話研究を中心に研究を行った。アカデミー・フランセーズ会員。専門分野である人類学、神話学における評価もさることながら、一般的な意味における構造主義の祖とされ、彼の影響を受けた人類学以外の一連の研究者たち、ジャック・ラカン、ミシェル・フーコー、ロラン・バルト、ルイ・アルチュセールらとともに、1960年代から1980年代にかけて、現代思想としての構造主義を担った中心人物のひとり。



知の巨人 レヴィ=ストロース氏 世界を席捲した文化人類学者

悔しいが、日本には比類がない「日本文化 」がある


私はこれまで世界中の神話を詠み、数百の文化構造を比較してきた。

だが、日本ほど精緻で美しく、矛盾を抱きながら調和し続けてきた文化を私は他に知らない。


私が日本に初めて深く触れたのは、人生のかなり後半のことであった。

それまで私は、南米の密林で太古の部族と寝食を共にし、ヨーロッパの言語体系を解体し、

無数の神話を体系的に比較する仕事に没頭してきた。


文化を比較し、世界の多様性の根底に流れる普遍構造を探し求めることが私の知的情熱だった。

だが、日本という存在は、私の研究人生において最も美しく、そして最も謎めいた「例外」だった。

私が驚いたのは、日本人が「違い」に対して持つ独特の眼差しだ。


例えば、外来の思想や宗教がやってきたとき、

他の国なら、自国の文化を捨てるか、入ってきたものを排除するか、になりがちなのだが、

日本では新旧を対立させず、古きものと新しきものを重層的に積み重ねていく。


神仏習合や和洋折衷の風習、現代都市に残る古い神社と静けさと高層ビルの共存、

そのあり方には異なるものをそのままに調和させる静かな知恵が息づいている。


日本人はしばしば自分たちの空気を読む文化や、曖昧さ、控えめな態度を、自虐的に語るが、

実はそれらこそが多様な価値観や美意識を共存させ、争いを最小限に抑え、

調和のなかで独自の道を切り開いてきた底力なのだ。


神社の静けさ、茶室の侘び、和歌の余白、季節の移ろいを感じる心、祭りに息づく土着の霊性、

日本人は日々の生活の中で見えないものの力を大切にし、空という余白を愛し、

完成を目指さない不完全の美を知っていた。


例えば、道端の小さな石仏に手を合わせる姿や、食事の前後のいただきますと、ごちそうさま、

公道の草や落ち葉を黙々と掃く精神、あるいは、桜が咲く短い春を全身で味わい、

散り際に美しさを感じる心、こうした何気ない所作や心の動きに、日本文化の神髄が静かに息づいている。


西欧において、論理と体系化は文明の根本的価値とされてきた。

だが、日本人は、矛盾するものを矛盾のままに調和させる知恵を、長い歴史の中で身につけてきた。

そこには、分けない、名付けない、決めつけない、そういった自由があった。


日本語という言語もまた、その複雑な構造と曖昧さによって、

繊細な感情や言葉にできない響きをそのまま保存してきた。

擬音語、間、余韻、言葉の向こう側を感じ取る力、

それは、私が世界を歩く中で出会ったどの民族の言語にも見られない特徴だった。


建築を見てもそうだ。西洋の石像建築が「永遠」を志向したのに対し、

日本の木造建築は「無常」を前提に、自然の中に溶け込むように建てられる。

取り壊し、作り直すことを恐れず、時の流れによる無常に美を見出す。

ここにもまた世界の他の文明にない独自性がある。


私はしばしば日本の特殊性を語るとき、それが排他性や優越性の主張と誤解されることを恐れる。

私が言いたいのはそういうことではない。

日本文化が持つ世界の中の例外という位置づけは、あらゆる文化がその独自性を守りながら、

調和し、共に生きるためのひとつの道標です。


現代において、世界はどんどん均質化している。

インターネットやグローバリゼーションによって、どの街にも同じような店が並び、

同じような音楽が流れ、同じような思想が広まっていく。


だが、私は願う。日本人よ、古いものと新しいもの、内と外、異なるもの同士を排除せずに、

受け入れてきたその心を、どうか誇りなさい。


あなた方の中には、日本は遅れている、世界に追いつかなくてはならない、

と感じている人も多いかもしれない。

だが、私は世界を歩き、無数の文化を見てきて、そのままの日本を世界がどれだけ必要としているかを、

心の底から知っている。経済の優劣ではない、科学技術の先進性でもない、

人間とは何か、自然とどう共にあるか、死や無常をどう受け入れるか、

こうした根本的な問いへの答えを、日本文化はあまりにも静かに、しかし確実に伝え続けてきた。

どうか自らを軽んじないでほしい。そして、他国と比較して自分を小さくする必要はまったくない。


庭の苔むした石に向ける静かな眼差し、季節の移ろいにそっと踊る心、

一つの言葉の余韻に涙するその感受性、それこそが世界に奇跡であり、

これからの時代に必要とされる「知」である。私が何より強く伝えたいのは、

日本文化の価値は、過去にあるのではなく、まさに今の時代にこそ求められているという事実だ。


世界は分断と対立を乗り越え、新たな共生の形を模索している。

その時、異質なものを排除せず、矛盾をそのまま受け入れ、そっと美として昇華する

あなた方の知恵がどれほど大切な道しるべ、となるか、日本人よ誇りなさい。

それは、他者を見下すためではない。世界に唯一の灯としてあり続けるために。


しかし、戦後、少しずつ、あなた方が古来より大事にしてきたものが壊れつつあるようにも感じます。

あなた方にしかない素晴らしい価値観を、よくないものとして扱っているように感じます。

もしくは、歪めて捉えられてしまっているように感じます。

空気を読む、他者を思いやる、調和する、それらは本来あなた方の文化において、

自分を犠牲にすることではなかったはずです。


あなた方は、相手を殺さず、自分も殺さず、調和しようとしてきた唯一の民族です。

もしかしたら、戦争の影響はとても大きなものかもしれません。

世界で唯一、原子爆弾を落とされたあなた方は、私たちには到底想像もつかない、

恐怖を背負っているのかもしれません。もう二度と波風立てません。

とその喉に釘を刺したのかもしれません。


それでも、それでもどうか、自分を殺さないでください。その光を隠そうとしないでください。

あなた方自身のために。そして全人類の未来のために。

もう一度あなた方の神話に触れてみて欲しい。あなた方が持つすべてを敬う心を、

どうか守り伝えてほしい。

私の身勝手な願いを、どうかお許しください。



■以下、FBで紹介してくれた、建築家、岩崎 駿介氏の投稿です。

日本文化について 250529

岩崎 駿介氏


僕ら日本人は、もっと自分の文化に自信を持つて生きるべきだ・・・We Japanese should live with more confidence in our own culture!

昨日は、友人の稲益 実氏から貴重な資料を頂きました。それは、この文末にそのアドレスを記したフランスの社会人類学者:レヴィ=ストロース氏(1908‐2009)のYOUTUBEで、日本文化の特徴を論じています。彼は端的に言えば、この地球環境時代、日本文化は「それぞれは異なる存在である」と認識して多様性を尊重し、今後、生き残るべき唯一の文化であると論じています。

それでは以下、日本文化についてレヴィ=ストロース氏の意見を参考にしながら、その特質について僕の考えを述べたいと思います。

まず何より、レヴィ=ストロース氏は、日本文化を「矛盾を抱きながら、調和し続けてきた文化」といい、必ずしも合理的な文化ではないと言います。またレヴィ=ストロース氏は、日本語の「分からない」という言葉に注目しますが、これは「分けることはできない」という意味なのです。

日本文化は、静寂にして、おのれ自身の空間(perspnal space)を確保して、それを互いに尊重し、争いの少ない平和な社会を築いています。これは結局、日本人が「自然」、もう少し言えばこの「宇宙」とは何かを理解し、自然とともに生き、自然には「八百万の神(やおよろずのかみ)」が存在していると理解しているからである。生き物には、上下という感覚がなく、みな平等である。言い換えれば、神は西欧文明における唯一無二の存在ではなく、自分の心自身にも宿ると考えている。

「いただきます、ごちそうさま」は、いただく動植物の「命」への感謝と、その食べ物が自分の目の前に現れるまでにかかわったすべての「人」の労力に対する感謝の気持ちの表明なのです。このような文化が、日本に到来したのは、ひとえにヒマラヤ山脈を起源とするモンスーン気候の豊かな雨がもたらした恩恵なのです。

僕は、このような日本文化の特質を、無意識にも建築や都市計画における「空間」において実現しようと試みてきました。その一例がここに掲載したわが家:落日荘の一角である居間の畳と椅子の共存です。「畳」という安定感がある平面に座るという行為と、行動を踏まえて座る「椅子」とを組み合わせて、第三の空間を作ろうと努力してきました。そのほか日本空間の特質を探そうと思えば、神社という静寂な空間に高層ビルという近代が並列する多様性も、日本独特の空間です。

われわれ日本人は、もっと自信をもって日本文化を継承し、今後の地球社会の構築に貢献すべきです。レヴィ=ストロース氏も指摘するように、日本人はこの点において西欧文明を称賛するあまり、自信喪失のようにも見えますが、自分自身に自信を持ち、今後の地球社会を作り上げるという気概をもって生きていくべきと考えます。






2025年6月14日土曜日

鎌倉四季・鎌倉寺社探訪「見・歩・感」Ⅱ 制作完了

 

鎌倉四季・鎌倉寺社探訪「見・歩・感」Ⅱ  制作完了


フリープランへの移行で、

再制作が終わっていない鎌倉四季・鎌倉寺社探訪「見・歩・感」Ⅱが、完了しました。



鎌倉四季・鎌倉寺社探訪「見・歩・感」Ⅰ 画像


鎌倉四季・鎌倉寺社探訪「見・歩・感」Ⅱ 画像



これで制作投稿のフリープランのWebサイトは、下記の11になりました。


●鎌倉四季・鎌倉寺社探訪「見・歩・感」Ⅰ

●鎌倉四季・鎌倉寺社探訪「見・歩・感」Ⅱ

●鎌倉四季・鎌倉寺社探訪「見・歩・感」Ⅲ

●四季の野鳥&動物Ⅰ

●四季の野鳥&動物Ⅱ

●余白の時・・四季の写句、短歌、四季の花

●読書のまとめ&酒の肴

●四季の雑記・展示会雑記

●帷子川の日々 ブログ

●オートシェイプ画ギャラリー-1

●オートシェイプ画ギャラリー-2


これからも、無理せず、楽しみながら、制作していきたいと思います。



鎌倉四季・鎌倉寺社探訪「見・歩・感」Ⅲ 画像


一方、Facebookは、今年の1月30日で投稿終了としました。

こちらは、年に1回、新年だけの投稿に切り替えます。

また気が向いたら再開します。






2025年6月13日金曜日

写句 四葩(よひら)

写真家の浅井慎平氏が提唱している、「Haikugraphy」とは、写真と俳句を一つにして表現した、「写句」です。


四葩(よひら)

6月に詠んだ写句1句。

2017/06/14に詠んだ句です。


四葩(よひら)

鼻メガネ妻が四葩をググりをり





写句 四葩(よひら) 2017/06/14制作




アジサイが咲く6月のある日、妻が鼻メガネをかけて真剣に四葩撮影しています。

思わず気に入って句にしました。









2025年6月8日日曜日

短歌 海を眺めて(うみをながめて)

 

短歌 海を眺めて


2017年4月に山手の外人墓地を訪れた時に詠んだ1首です。


山ノ手の外人墓地のブラフから海を眺めて春ながれ舞い





短歌 海を眺めて(うみをながめて) 2017/04/08制作



■海を眺めて

山ノ手の外人墓地のブラフ公園から海を眺めると、

春の風を、桜舞のように感じてしまいます。








2025年6月3日火曜日

荒井由美 原画


オートシェイプ画は、Excelで面と線の積み重ねで描くイラストです。なかなか面白い絵が描けます。 主に、猫・JAZZミュージシャン・POPミュージシャン・野鳥・花・人物・ポスター画等のオートシェイプ画を制作しています。


日本のシンガーソングライター

荒井由美 原画


2018年制作の5点

2021年制作の1点



2018年制作の原画5点



荒井由美 原画 2018/03/20制作




荒井由美 原画 2018/03/20制作




荒井由美 原画 2018/03/20制作




荒井由美 原画 2018/03/20制作




■松任谷 由実(まつとうや ゆみ、1954年1月19日[5] - )は、日本のシンガーソングライターである。本名同じ。旧姓名および旧芸名は、荒井 由実(あらい ゆみ)。愛称は「ユーミン(Yuming)」。夫はアレンジャー・松任谷正隆で、彼女の音楽プロデューサーを務める。




2021年制作の原画1点



荒井由美 原画  2021/09/05制作




私の好きなユーミンは、荒井由実時代です。

「海を見ていた午後」いいですね、たまに聴きます。

イラスト、荒井由実・・線画ブロンズ風 & 4人の荒井由実。線画描写は先が見えないので楽しいですね。








2025年5月31日土曜日

酒の肴・春雨と胡瓜のお酢サラダ

■作家 曾野綾子氏の助言

老年になれば、妻と死別したり、妻が急に入院したりする可能性が出てくる。そのために、簡単な掃除、洗濯、料理ぐらいができない男というのも、賢い生き方とは言えない


酒の肴づくり

春雨と胡瓜のお酢サラダ

春雨はお酢ととても相性がいいそうです。あっさりしたつまみ。





酒の肴・春雨と胡瓜のお酢サラダ




醤油、酢、砂糖、胡麻油の調味だれに、せん切りしたハム、胡瓜、茹でた春雨、炒りごまを和えてなじませ、紅生姜をのせて・・。

春雨とハム、胡瓜、炒り胡麻で和えたお酢サラダは、美味しいですね。








2025年5月27日火曜日

がん闘病日記・森永卓郎著 


本を読んだ後に、読後画像を制作しています。


がん闘病日記・満身の闘病ドキュメント 

森永卓郎著


2024/02/25読了


先日亡くなった森永卓郎氏のがん闘病ドキュメントです。

「1秒でもあれば何かしたい」 濃密な人生送った森永卓郎氏 闘病も「戦って死にたい」。

産経新聞に連載された話の肖像画も読みましたが、自由奔放に歩んだ人生、大変勉強になりました。

ご冥福をお祈りいたします。



がん闘病日記・森永卓郎著


■突然のがん宣告

晴天の霹靂・抗がん剤で死にかける


■殺到する「がんの治し方」


■がん治療とお金

がん細胞軍団VS免疫細胞軍団

標準治療と自由診療

預金を生前整理する


■私の選択

血液免疫療法の選択


■いまやる、すぐやる、好きなようにやる

私の仕事のスタイル

理想の会社を作る

ラジオという自由の大地

モリタクゼミの改革


■素敵な仕事、自由な人生

農業ほど知的な仕事はない

変化した家族との関係

父の信条・・ウソをつかないこと。


●あとがき

私がお伝えしたかったのは、私の場合、人生でやり残したことがほとんどないということだ。これまでの仕事で遊んで、遊んで、遊びつくして、やりたいことはすべてやってきた。だから、朝から晩まで、泥んこになって遊んだ子供と一緒で、十分満たされて、「そろそろ家に帰ろう」と言われたら、家路につく気分なのだ。ただ、そのなかで迎える本当に幸福な老後、あるいは人生とはいったいなんだろうか。

私のイメージする人生の最後は、たばこに火をつけて、胚細胞の一つ一つで紫煙を味わったあと、ひと言こう言って、」息を引き取るのだ。「今日も元気だ。たばこが美味い」。





経済アナリスト、エコノミスト 森永卓郎氏

森永 卓郎(もりなが たくろう、1957年〈昭和32年〉7月12日 - 2025年〈令和7年〉1月28日)は、日本の経済アナリスト、エコノミスト、タレント。専門は、マクロ経済・計量経済・労働経済・教育計画、オタク文化論など。愛称・通称は「モリタク」。獨協大学経済学部教授などを務めた。長男は証券アナリスト、経済アナリスト、実業家である森永康平。次男はITエンジニア。父は元毎日新聞社記者。獨協大学外国語学部講師の森永京一。






日本文化について レヴィ=ストロース氏

 気に入ったYouTube記事 日本文化について レヴィ=ストロース氏 フランスの社会人類学者:レヴィ=ストロース氏(1908‐2009)が YouTubeで、「日本文化の特徴」を論じています。 書き起こして掲載します。 外国の人が日本人より日本のことを理解している。 驚きました...