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変わることができたこの1年
直球&曲球 野口健
「富士山を取り巻く環境」と「メガソーラー環境破壊」問題。
久々に、いい話ですね。
日本の行政はやることが遅すぎです。やはり政治家の質が問題ですね。
メガソーラーはまじめに考えたら、環境破壊が問題だと簡単に分かるはずです。
日本人ももっと声を上げないとダメですね。
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| 日本の登山家、環境活動家 野口 健氏 |
野口 健(のぐち けん、1973年8月21日 - )は、日本の登山家、環境活動家。亜細亜大学国際関係学部卒業。NPO法人PEAK+AID(ピーク・エイド)代表(2020年時点)として、ヒマラヤ・富士山での清掃活動といった環境保護への取り組み、また遭難死したシェルパ族の子どもたちへの教育支援「シェルパ基金」やヒマラヤでの学校建設・森林づくり、第二次世界大戦の戦没者の遺骨収集などの社会貢献活動を行っている。
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変わることができたこの1年
直球&曲球 野口健
世の中「変わるときは変わる」ものだと強く感じた1年だった。例えば富士山を取り巻く環境だ。私が富士山清掃活動を始めてから約四半世紀。日々、清掃活動を行いながら、どうすれば富士山を守っていける体制を作っていけるのかを現場で考えていた。「入山料徴収」や「入山規制」の必要性を強く感じ、ずっと訴え続けてきた。環境相や山梨、静岡の両県知事にも直訴。しかし「やれない」理由ばかりを説明され、気がつけば約四半世紀が過ぎ、諦めかけていた。
そのタイミングで山梨県知事が変わった。心底驚いたのは長崎幸太郎知事の「富士山の入山規制も入山料徴収もやります。返り血を浴びる覚悟でやります」との発言。思わず「私も共に返り血を浴びます」と応えた。登山道の一部が県道で、それを廃道にすれば通行の制限は可能で通行料金を徴収できるのだと。「やれないための理由」から「やるための理由」に変わった瞬間であった。山梨県は一昨年から取り組み、今年はさらなるルールを加えて完成させ、静岡県も足並みをそろえた。約四半世紀、訴え続けたことがたった2年間で実現した。
次にメガソーラー。森林を大規模伐採して本当に必要なのか、と約15年前から環境相や国会議員にも法規制の必要性を訴えてきたが、こちらも「やれない」理由ばかり。しかし、釧路湿原のメガソーラー問題が世の中に大きく注目されると流れに変化が。先の自民党総裁選でも争点となり、誕生した高市早苗政権は猛ダッシュでメガソーラーへの厳しいルール作りに動く。補助金制度廃止や環境面や災害を招かないための安全面、景観を損なわないよう法改正に着手。
北海道の鈴木直道知事も複数の法令違反が発覚した釧路湿原のメガソーラー建設に対し「中止命令もあり得る」と表明した。「ファーストペンギン」の後には必ず列が続く。釧路の揺れは全国に広がっていくと確信している。
「変わる時には変わる」のだ。それまであの手この手で時に揺さぶりながら訴え続けること。そう「動かぬ山はない」のだと信じて。

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