2025年2月11日火曜日

よい子になりたい日本

 

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よい子になりたい日本

過剰な承認欲求、

中でも中国に良い思いがる性向は重大疾患

元内閣緊急参与・谷口智彦氏


本当にその通りですね。

日本人はいつからそうなったのか。

少なくても江戸時代までは自立していましたね。


明治になり、明治中期までは何とか自立していましたが、

明治後期からおかしくなってしまったということでしょうか。

昭和100年、戦後80年はもっと悪くなりました。

少なくても1871年から1873年にかけて、明治になって最初の海外視察団を送った時の精神に、立ち返るべきです。


自立できない日本の政府は、どうにかしていますね。

先日7日の日米首脳会談での日本の首相のレベルの低さには唖然としました。

そんな日本の状況を考えると、この「よい子になりたい日本」の病は、多分治らないかもしれません。

非常に勉強になりました。



元内閣官房参与 谷口智彦 

谷口 智彦(たにぐち ともひこ、1957年 - )は、日本の雑誌記者、ジャーナリスト。元内閣官房参与、元慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授。株式会社日経BP編集委員室主任編集委員、外務省外務副報道官、明治大学国際日本学部客員教授などを歴任した。





よい子になりたい日本
過剰な承認欲求、中でも中国に良い思いがる性向は重大疾患
元内閣緊急参与・谷口智彦


誰にでも好かれたい人は、自分をなくしてしまう。優柔不断になって真の友はできない。国もこれと同じではないか。


西欧帝国主義が一番幅をきかせていた時期、日本はたった一人、白人世界に参入した。髷(まげ)をほどいて洋装した。暦を変えて、季節感覚まで犠牲にした。


全ては「一等国」として認められんがため。近代への船出を、承認欲求に身もだえながら始めなければならなかった国が日本だ。


末路は終わった。大戦争に敗れ亡国の憂き目を見た。ちょうど80年前だ。


米英ほか連合国やソ連からは永遠の敵国扱いになるわ、近隣諸国には一斉にうとまれるわで、日本はまたしても、承認欲求に身を焦がして戦後を始める。


染み付いた性癖の粘着力は強く、始終頭をもたげては己を見失わせる。


なぜ夫婦別姓を法律にしたいのか。「父」や「母」の文言が法律から消え、有名テレビ番組「おかあさんといっしょ」も「親Aといっしょ」になりかねないというのに、なぜ同性婚合法化を進めたいのか。


(イスラム圏なんかは無視して)先進国が皆こうだから日本もと、そんな理屈だ。よい子になりたい欲求が政治家を、特に弱い政権を、あらぬ道に走らせる。


そこからはすぐだ。世襲の皇室は前近代の遺物、男系一統はもっとそうだと誰かが言い出すのは。数知れない先人たちが悠久の時を超えて努め、なんとかかんとか保ってきた国の形が、この分ではあれよあれよという間に変わりかねない。


世界中で日本にしかないのが何が悪い、てやんでえ悪いもんか、いっそ人類史の遺産だと、涼しい顔で口笛の一つも吹けるようでなくてどうする。


対外関係でも同じだ。いい人と思われたがる外交をしていると、いつか相手に裏切られてほぞをかむ。


インドネシアを見るとよい。日本は戦後、最も手厚い支援を同国に与えた。おかけで彼の地の大衆は総じて親目的だけれど、それが日本の国益に転換できたか。


高速鉄道=何世代にも及ぶ重要インフラの建設を、インドネシアは中国に頼った。今度は中国を盟主とする国際枠組みBRICSに正式加盟だ。東京は、仁義を切ってもらえたのか。


中でも中国に良く思われたがる日本各界を覆う根深い性向は、国を過つ重大疾患と呼ぶべきだ。対中関係に安定を求めるのはよい。しかしそれには、侮られない力と胆力が要る。相手は一にも二にも力を、力だけを信奉する国ではないか。


誰かからお褒めをもらいたがる態度が、そもそもおかしい。己をまずおとしめてかかる生き方だからだ。過剰な承認欲求は、ひとも国も過つ。誰かの眼を意識し生きるのは、もうたいがいにすべき時だ。


(たにぐち・ともひこ) 昭和32年生まれ。安倍晋三元首相のスピーチライター。










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