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日本人が知るべき 東アジアの地政学
茂木誠著
2024/11/15読了
結果論ですが、日本がこうした歴史や地政学を知っていれば、ロシアを排除できた時点で朝鮮から手を引くべきでした。
日米開戦は愚策でした。決して同じような過ちを繰り返してはならない・・・これこそ、日本の国家戦略の基本である。これが地政学から導きだされる結論です。
世界史は地政学抜きには語れません。
まったくその通りですね。日本の政治家は地政学をもっと重要視するべきです。
しかし今の政治家では無理ですね。また同じ過ちを犯すのか?
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日本人が知るべき 東アジアの地政学 茂木誠著 |
地政学で“知的武装”せよ
日本はかつて、地政学を軽視し、あるいは曲解したために歴史上いくつかの失敗を犯しました。
敗戦国として米軍の駐留を受け入れた日本は、ますます地政学的な考え方、ものの見方から距離を置き、いわゆる「平和ボケ」の中で成長することを許されてきました。
世界史は地政学抜きには語れません。欧米の政治家や軍の幹部は、海と陸の地政学を熱心に研究し、外交交渉や戦争に活用してきたからです。
東アジアで交錯する「八つのイデオロギー」
国家戦略 = 地理 x 歴史 x イデオロギー
■【構造1】世界共通・・シーパワーVSランドパワー
■【構造2】米国一国孤立主義(モンロー主義)VS 世界の警察官(ウイルソン主義)
■【構造3】中国・・「大中華思想」=朝貢外交は、典型的なランドパワーの思想
■【構造4】北朝鮮・・朱子学(小中華思想)x 社会主義(ヴュチェ)思想
■【構造5】韓国・・事大党(清)VS 開化党(日本)VS 東学(民族派)
■【構造6】ロシア・・スラブ主義 VS 西欧主義
■【構造7】日本・・大陸進出=大アジア主義 VS 海洋進出=一国平和主義
■【構造8】世界のこれから・・ナショナリズムVSグローバリズム
■日本の結果論
結果論ですが、日本がこうした歴史や地政学を知っていれば、ロシアを排除できた時点で朝鮮から手を引くべきでした。
他の列強以上に中国進出は控えるべきでしたが、満州事変、日中戦争と深入りの度合いを増し、絶望的な対米戦争を招いてすべてを失いました。
当時、日本が選択を誤った理由を二つ挙げるなら、大陸進出論を掲げる陸軍の政治力が強すぎて、最終的には親英米派に勝ってしまったこと。
もう一つは「大アジア主義」のイデオロギー。欧米に対抗してアジアの解放を目指す考え方への傾倒です。
考え方としては正しいのかもしれませんが、典型的なアイデアリズムで、他の帝国主義列強をすべて敵に回すことになる、というリスクがあり、リアリズムを伴わないことは非常に危険である証左です。
表向きの理想に加え、裏側では天然資源や食料生産、マーケットの利権、日米離間を図るソ連の謀略なども絡み、どんどん戦線は複雑化、拡大していきます。
そしてランドパワー地政学のドイツにますます傾倒し、最後は共倒れになったのです。日本と米国は同じころシーパワーになり、長い間お互いの利益を調節し、妥協し合いながら共存してきたのです。
日米開戦は愚策でした。決して同じような過ちを繰り返してはならない・・・これこそ、日本の国家戦略の基本である。これが地政学から導きだされる結論です。
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歴史系YouTuber、著述家、作家、予備校講師 茂木 誠氏 |
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