2026年5月8日金曜日

ドイツの失敗に学べ 川口マーン恵美著

 

途中まで読んで、読み切れなかった

「ドイツの失敗に学べ」川口マーン恵美著

を、Gemini要約しました。


もう既に分かっている問題ばかりでしたが、「ここまでひどいのか?」という内容でした。

非常に勉強になった本です。


しかし、ドイツは、エネルギー政策、労働政策、環境対策、経済対策と中国依存、どれをとっても間違っていますね。


『ドイツが陥った最大の失敗は、「人道という理想」を追求するあまり、「自国民の安全と生活を守る」という国家の基本義務を後回しにしたこと』、

また、『日本はドイツの失敗をただ眺めるのではなく、それを「自分たちの未来の姿」と捉え、エネルギー、移民、安保において、地に足の着いた冷徹な議論を今すぐ始めるべきだ』、その通りです。


個人的には「今更ドイツかよ」と思いますが、現在の日本の経済界、政府、メディア等は、まだドイツをよく見ている傾向がありますので、その辺はかなり心配ですね。




ドイツの失敗に学べ 川口マーン恵美著



ドイツの失敗に学べ 川口マーン恵美著

 

■全体要約

 

川口マーン恵美氏の著書『ドイツの失敗に学べ』は、日本が長年「理想の国」として手本にしてきたドイツの現状を分析し、その政策の行き詰まりを指摘することで、日本が同じ轍を踏まないよう警鐘を鳴らす一冊です。

本書の主な要約とポイントは以下の通りです。

 

1. エネルギー政策(脱原発と再エネ)の混迷

本書で最も大きく割かれているのがエネルギー問題です。ドイツは「エネルギー転換(エネギヴェンデ)」を掲げ、脱原発と再生可能エネルギーへのシフトを強行しましたが、その結果として以下の副作用が生じていると指摘しています。

  • 電気料金の高騰: 再エネ賦課金などにより、家庭や企業の電気代が世界最高レベルに跳ね上がった。
  • 電力不足のリスク: 天候に左右される再エネの不安定さを補うため、結局は石炭火力発電に頼らざるを得ず、CO2排出量削減が進まない矛盾。
  • 他国への依存: 足りない電力を隣国のフランス(原発大国)などから購入するという「偽善的」な構造。

 

2. 過度な環境主義の弊害

ドイツは環境先進国としてのブランドを重視してきましたが、それが経済の首を絞めていると著者は主張します。

  • 自動車産業への打撃: 無理なEV(電気自動車)シフトや排ガス規制が、ドイツの基幹産業である自動車メーカーに過度な負担を強いている。
  • 現実離れした理想主義: 科学的・経済的な合理性よりも、政治的な「正しさ」や感情的な環境保護論が優先される風潮への批判。

 

3. 移民・難民問題と社会の分断

2015年のメルケル首相による難民受け入れ以降、ドイツ社会が直面している軋轢についても詳しく述べられています。

  • 統合の失敗: 異文化を持つ大量の難民を短期間で受け入れたことで、治安の悪化や社会福祉の逼迫が生じた。
  • 言論の硬直化: 移民政策に異を唱えることが「右翼」「差別主義者」とレッテルを貼られる空気感が生まれ、国民の間に深い分断が生じている(これが右派政党AfDの台頭を招いた)。

 

4. 日本への教訓

著者が最も伝えたいのは、「ドイツがやっているから正しい」という思い込みを捨てるべきだということです。

  • ドイツの失敗は、理想を追いすぎるあまりに現実(経済や安全保障)を軽視した結果である。
  • 日本は、ドイツの表面的な「先進性」に惑わされるのではなく、その裏にある高額なコストや社会的な歪みを冷静に見極めるべきである。

 

結論

この本は、メディアが報じがちな「素晴らしいドイツ」というステレオタイプを覆し、「過剰な理想主義が国家をいかに危うくするか」を実例とともに示す内容となっています。日本がエネルギー政策や労働政策、環境対策を考える上で、ドイツを「反面教師」にすることの重要性を説いています。

 

 

■序章 メルケルの「理想」がドイツの「凋落」を招いた

 

川口マーン恵美著『ドイツの失敗に学べ』の「序章:メルケルの『理想』がドイツの『凋落』を招いた」における、主な論点と要約は以下の通りです。

この章では、16年という長期政権を担ったアンゲラ・メルケル前首相が、いかにしてドイツを「理想主義」という迷路に迷い込ませ、結果として国力を削いでしまったのかが鋭く批判されています。

 

1. 「メルケル政治」の功罪

  • クリーンなイメージと裏腹の停滞: メルケル氏は「道徳的な正しさ」を武器に高い支持を得ましたが、その実態は、問題を根本的に解決するのではなく、補助金や先送りによって「表面上の平穏」を取り繕っただけであると著者は指摘します。
  • 左傾化する保守政権: 本来保守政党(CDU)の党首でありながら、リベラルや緑の党の政策を次々と取り込んだことで、ドイツの政治から健全な論争が失われ、中道路線が極端な理想主義へと傾いたとしています。

 

2. 「脱原発」という致命的な決断

  • 感情に流された政策転換: 2011年の東日本大震災を受け、メルケル氏はそれまでの原発推進から「即時脱原発」へと180度方針を転換しました。これが科学的根拠や経済合理性に基づかない「感情的な決断」であったことが、後のエネルギー危機を招いた最大の要因とされています。
  • エネルギー安保の軽視: ロシアの安価な天然ガスに依存しつつ再エネを推進するという、危ういバランスの上に成り立つ「砂上の楼閣」のような政策が、ドイツの産業競争力を奪ったと分析しています。

 

3. 難民受け入れと「道徳大国」の傲慢

  • 2015年の国境開放: 押し寄せる難民に対し、「私たちはやり遂げられる(Wir schaffen das)」という言葉で国境を開放したメルケル氏の決断が、ドイツ社会に修復不可能な分断をもたらしたと述べています。
  • 欧州への押し付け: 自国の理想を「人道」の名の下に他国(EU加盟国)にも強要しようとした姿勢が、欧州内でのドイツに対する反発と不信感を強め、EUの結束を乱したと指摘しています。

 

4. 凋落の始まり:現実を見ない「政治的正しさ」

  • 「負の遺産」の露呈: メルケル政権下ではインフラ投資やデジタル化が後回しにされ、教育水準も低下しました。序章では、これらすべての問題が、メルケル氏が掲げた「高い理想」の陰で進行していたことが強調されています。
  • 議論を封じる空気: 政策への異論を「非人道的」として封じ込める空気が醸成された結果、国家の進むべき方向を見誤ったという「失敗の本質」が語られています。

 

序章の結論としてのメッセージ

川口氏は序章の締めくくりとして、「メルケル氏が世界中から賞賛されていた時期こそが、実はドイツが凋落へと転落し始めた時期だった」と総括しています。日本人はメディアが作り上げた「賢明なリーダー、メルケル」という虚像を捨て、彼女が残した深刻な負の遺産を直視しなければならない、という警告がこの章の核心です。

 

 

■第1章 「移民・難民」・・・先進国で次々に起こる異変

 

川口マーン恵美著『ドイツの失敗に学べ』の「第1章:『移民・難民』・・・先進国で次々に起こる異変」では、2015年の難民危機以降、ドイツが直面している深刻な社会変容と、それがもたらした「法治国家の揺らぎ」が描かれています。

主な要約ポイントは以下の通りです。

 

1. 「人道」の名の下での無法状態

  • 国境管理の放棄: 2015年、メルケル首相が人道的理由から国境を開放した際、本来必要な身元確認や登録が不十分なまま、膨大な数の人々が流入しました。著者はこれを、国家が自ら法律(ダブリン協定等)を無視した「法治の停止」であったと批判的に捉えています。
  • 身分詐称の問題: 補助金受給や強制送還回避のために、年齢や国籍を偽るケースが多発し、それを見過ごさざるを得ない行政の無力さが指摘されています。

 

2. 並行社会(パラレル・ソサエティ)の拡大

  • 同化の拒否: 難民・移民の多くがドイツの文化や法体系に馴染もうとせず、自分たちの出身国の習慣や宗教規範(シャリーアに近いものなど)で生きる「並行社会」が形成されている実態を報告しています。
  • 「クラン(族閥)」の台頭: ベルリンなどの大都市では、アラブ系の巨大な族閥組織が裏社会を支配し、警察の力が及ばない「ノー・ゴー・ゾーン(立ち入り困難地域)」化している地域があることに警鐘を鳴らしています。

 

3. 治安の悪化と統計の「不都合な真実」

  • 性犯罪と凶悪犯罪: 難民による性暴力やナイフを用いた殺傷事件が頻発している現状に触れています。
  • 情報の隠蔽: 政府や大手メディアが、社会不安を煽らないという名目や「差別」を恐れるあまり、加害者の国籍や背景を伏せる傾向があることを批判。これが国民の不信感をさらに増大させていると分析しています。

 

4. 言論の自由の喪失と右派の台頭

  • 「ナチスのトラウマ」の利用: ドイツでは移民政策を批判すると、すぐに「人種差別主義者」「ナチス」というレッテルを貼られるため、国民が本音を言えない空気が醸成されました。
  • AfD(ドイツのための選択肢)の躍進: 既存政党が無視し続けた「国民の不安」を吸い上げる形で、右派政党であるAfDが支持を伸ばした経緯を説明。これは「政治的正しさ」を押し付けた結果の副作用であるとしています。

 

5. 福祉制度の持続可能性への疑問

  • 「労働力」という幻想: 「難民は不足する労働力になる」という当初の期待に反し、実際には言語の壁やスキルの欠如により、長期間にわたって生活保護(市民手当)に依存する層が膨大に膨れ上がっている現実を指摘。これがドイツの財政を圧迫し、納税者の不満を爆発させていると説いています。

 

1章の結論

著者は、ドイツが陥った最大の失敗は、「人道という理想」を追求するあまり、「自国民の安全と生活を守る」という国家の基本義務を後回しにしたことにあるとまとめています。これは、外国人労働者の受け入れを拡大しようとしている日本にとって、極めて重い教訓であると訴えています。

 

 

■第2章 異常な「極右」排除が突き進む「全体主義」

 

川口マーン恵美著『ドイツの失敗に学べ』の「第2章:異常な『極右』排除が突き進む『全体主義』」では、民主主義を標榜するドイツで、実は「リベラルな独裁」とも呼べるような言論封殺が進んでいる不気味な現状が描かれています。

主な要約ポイントは以下の通りです。

 

1. 「民主主義の防衛」という名の言論弾圧

  • 憲法保護庁の役割: 本来、ナチスの再来を防ぐための監視機関である「連邦憲法保護庁」が、現政権を批判する野党(特にAfD)や保守的な言論を監視対象にしている現状を指摘。政府が「民主主義を守る」という名目で、自分たちに不都合な意見を「極右」として排除する危うさを説いています。
  • 「デモ」の政治利用: 政権与党が主導して「反極右デモ」を推奨・動員し、野党を社会的に抹殺しようとする姿勢を、民主主義国家としては異常な光景であると描写しています。

 

2. 「極右」の定義の際限なき拡大

  • 保守=極右のレッテル貼り: 伝統的な家族観や自国第一主義を唱えるだけで「極右」と見なされる風潮を批判。かつては中道保守の範疇だった考え方が、左傾化した現在の政治状況では「悪」と定義され、一般市民が本音を漏らすことを恐れる「沈黙の螺旋」が生じていると分析しています。
  • 「政治的正しさ(ポリコレ)」の強制: 特定の価値観(環境保護、難民受容など)に従わない者を社会の敵として吊し上げる風潮が、かつての東ドイツ(DDR)の密告社会を彷彿させると、著者は強い危機感を示しています。

 

3. メディアの偏向と偏った情報発信

  • 公共放送の役割: ドイツの公共放送(ARDZDF)が、中立であるべき立場を捨て、政権寄りのプロパガンダ機関と化している現状を指摘。特定の政党を悪魔化し、多角的な議論を封じることで、国民の思考が画一化されていると述べています。
  • SNS監視と検閲: ネット上の「ヘイトスピーチ」を取り締まる法律(ネットワーク執行法)が、実質的な検閲として機能し、自由な言論空間を狭めている実態に触れています。

 

4. 既存政党の既得権益化

  • 「カルテル政党」の形成: 思想信条が異なるはずの主要政党が、新興勢力(AfDなど)を排除するために手を組み、権力を維持しようとする構造を批判。これが国民の不満の受け皿をなくし、逆に社会の過激化を招いているという逆説的な構造を解説しています。

 

2章の結論

著者はこの章を通じて、「ナチスの反省」を免罪符に、現在のドイツが別の形の全体主義(リベラル全体主義)に陥っていると警鐘を鳴らしています。「正義」の名の下に異論を認めない社会がいかに脆く、危ういものであるかを、日本の読者に提示しています。

 

 

■第3章 非科学的で不合理だった「脱原発」と「再エネ」

 

川口マーン恵美著『ドイツの失敗に学べ』の「第3章:非科学的で不合理だった『脱原発』と『再エネ』」は、本書の核心部分であり、ドイツのエネルギー政策(エネギヴェンデ)がいかに論理破綻しているかをデータと事実に基づいて暴いています。

主な要約ポイントは以下の通りです。

 

1. 震災後の「パニック」による拙速な決断

  • 科学より感情: 2011年の福島第一原発事故後、メルケル政権が科学的・技術的な検証を飛び越え、国民の不安(ヒステリーに近いもの)に押される形で「即時脱原発」を決めた過程を批判しています。
  • 専門家軽視: 倫理委員会という、技術者ではなく宗教関係者や哲学者を含むメンバーがエネルギー政策の根幹を決定したことの異常性を指摘しています。

 

2. 「再エネ」の不都合な真実

  • バックアップ電源のジレンマ: 太陽光や風力は天候に左右されるため、電力を安定供給するには、再エネと同じ容量の「バックアップ(火力発電など)」を常に維持しなければなりません。これは二重の設備投資を意味し、極めて非効率です。
  • 再エネ=CO2削減という嘘: 原発を止めた穴を埋めるために石炭(特に褐炭)火力発電をフル稼働させた結果、ドイツは「環境先進国」を自称しながら、近隣諸国よりもCO2排出量が多いという皮肉な結果を招きました。

 

3. 世界一高い電気料金と産業の空洞化

  • 国民負担の増大: 再エネ賦課金や、不安定な送電網を維持するためのコストにより、ドイツの電気代は世界最高水準となりました。これが家計を圧迫するだけでなく、製造業の国際競争力を奪っています。
  • 脱ドイツ(産業流出): エネルギーコストに耐えられなくなったドイツの基幹産業(化学、鉄鋼など)が、アメリカや中国へ拠点を移し始めており、経済の土台が崩壊しつつある現状を報告しています。

 

4. 欧州の「電力ハブ」という名の偽善

  • フランス産原発への依存: ドイツは電力が不足すると、自国で廃止したはずの原発で作られた電力をフランスから購入しています。また、再エネが発電しすぎて電力が余った際には、近隣諸国の送電網に(マイナス価格で)無理やり流し込み、他国のシステムを混乱させている実態を批判しています。

 

5. 「緑の党」によるイデオロギー支配

  • 宗教化した環境保護: 環境政策が経済や国民生活を守るための手段ではなく、「地球を救う」という宗教的な目的(イデオロギー)と化していることを危惧しています。反対意見を許さない「緑の独裁」が、ドイツを冷静な議論から遠ざけていると述べています。

 

3章の結論

著者は、ドイツのエネルギー政策は「壮大な社会実験」であり、現時点では「大失敗」であると断じています。日本に対しては、ドイツの「格好の良いスローガン」に惑わされることなく、エネルギー自給率やコスト、そして科学的な現実に根ざした政策を選択すべきだと強く訴えています。

 

 

■第4章 地獄に堕ちても中国は捨てられない

 

川口マーン恵美著『ドイツの失敗に学べ』の「第4章:地獄に堕ちても中国は捨てられない」では、経済的利益を優先して中国に深く依存しすぎた結果、身動きが取れなくなっているドイツの「経済安保のジレンマ」が描かれています。

主な要約ポイントは以下の通りです。

 

1. 「貿易による変革」という幻想の崩壊

  • 誤った前提: ドイツ(特にメルケル政権)は、中国と深く通商することで、中国がいずれ民主主義的な価値観を受け入れるだろうという「貿易による変革(Wandel durch Handel)」を信じてきました。
  • 裏目に出た結果: 実際には中国がドイツの技術を吸収して強大化し、逆にドイツが中国市場なしでは立ち行かない「経済的属国」のような状態に陥ったと指摘しています。

 

2. 自動車産業の致命的な中国依存

  • VW(フォルクスワーゲン)の窮状: ドイツ最大の産業である自動車業界、特にVWは、販売台数の約4割を中国に依存しています。これにより、中国政府の意向に逆らえば国家経済が破綻しかねないという弱みを握られている実態を詳述しています。
  • 技術の流出とEVシフト: 中国が進めるEVシフトに強引に乗せられた結果、ドイツが誇るエンジン技術の優位性が失われ、中国メーカーに追い抜かれるという「自業自得」の構図が描かれています。

 

3. 人権問題とビジネスの二枚舌

  • 人道主義のダブルスタンダード: ウイグル問題などの人権侵害に対し、ドイツ政府は言葉では批判しつつも、経済制裁などの実効性のある策は打てないでいます。著者は、この「環境や人権を叫ぶ一方で、中国の利益は手放さない」というドイツの姿勢を猛烈に批判しています。
  • サプライチェーンの脆弱性: 太陽光パネルや蓄電池、重要鉱物などの原材料を中国に牛耳られており、ドイツが掲げる「グリーン政策」そのものが中国なしでは成立しないという皮肉な構造を暴露しています。

 

4. 「デリスキング」の困難さ

  • 遅すぎた方向転換: ショルツ政権は中国への依存を減らす「デリスキング(リスク低減)」を掲げていますが、長年築き上げた依存関係はあまりに深く、経済界からの強い抵抗もあって一向に進まない現状を解説しています。
  • ロシアの二の舞への恐怖: 天然ガスをロシアに依存して失敗した教訓(ウクライナ侵攻)があるにもかかわらず、中国に対しても同じ過ちを繰り返そうとしているドイツの「学習能力の欠如」に触れています。

 

4章の結論

著者は、ドイツが「中国という毒薬」を飲み続けなければ生きていけない体質になってしまったと警鐘を鳴らしています。 日本に向けては、特定の独裁国家に経済の命運を託すことが、いかに国家の主権や外交の自由を奪うことになるか、ドイツの惨状を「反面教師」にせよと強く訴えかけています。

 

 

■終章 日本はドイツよりも先に「米国依存」から脱せよ

 

川口マーン恵美著『ドイツの失敗に学べ』の「終章:日本はドイツよりも先に『米国依存』から脱せよ」では、これまでの章で見てきたドイツの惨状を総括し、日本が真の自立を果たすための具体的な提言がなされています。

主な要約ポイントは以下の通りです。

 

1. ドイツが露呈した「他国依存」の末路

  • 三重の依存の崩壊: ドイツは「安全保障を米国に」「エネルギーをロシアに」「市場を中国に」依存するという、極めて危うい構造で繁栄を築いてきました。
  • 教訓: ウクライナ侵攻や米中対立によってその前提が崩れた今、ドイツは「自国の生存を他国に委ねること」の恐ろしさを証明してしまったと著者は指摘します。

 

2. 「自国ファースト」への転換の必要性

  • 理想主義からの脱却: ドイツは「世界平和」や「地球環境」といった美辞麗句を優先し、自国の実利(エネルギー安保や産業保護)を疎かにしました。日本もまた、国際社会の顔色を伺うばかりでなく、もっと露骨に「日本国民の利益」を最優先する姿勢が必要だと説いています。
  • 情報の取捨選択: 日本のメディアや知識人が、依然としてドイツを「お手本」として持ち上げ、ドイツの失敗(電気代高騰や治安悪化)を報じない現状を厳しく批判しています。

 

3. 「米国依存」という最大の課題

  • 日本とドイツの共通点: 両国とも第二次世界大戦の敗戦国であり、米国の保護(核の傘)の下で経済発展を遂げましたが、そのために「自分の国を自分で守る」という国家としての根幹を失っています。
  • 対米従属の限界: 米国の国力が相対的に低下し、内向き志向を強める中、日本がいつまでも米国頼みでいることは最大の不確実性(リスク)であると警告しています。

 

4. 日本が取るべき「賢い自立」

  • エネルギー自給と防衛: ドイツの脱原発の失敗を反面教師とし、日本は原発再稼働を含めた現実的なエネルギー政策を推進すべきだとしています。また、防衛力についても、他国に頼り切るのではなく、自分の足で立つ覚悟が求められています。
  • 独自の外交ルート: 米国一辺倒ではなく、同時に中国の脅威を見据えつつ、多極化する世界の中で日本独自の「生き残り戦略」を構築することを提唱しています。

 

終章の結論

本書の締めくくりとして著者は、「ドイツはすでに手遅れに近い状態だが、日本にはまだ間に合う可能性がある」と述べています。

ドイツを「失敗の巨大なサンプル」として冷徹に見つめ、日本が「自分の国は自分で守り、自分たちのエネルギーは自分たちで確保する」という当たり前の主権を取り戻すこと。それこそが、日本が「ドイツ化」して凋落するのを防ぐ唯一の道であると結んでいます。

 

 

■あとがき

 

川口マーン恵美著『ドイツの失敗に学べ』の「あとがき」は、本書全体を通じた著者の最も切実な願いと、日本の読者へのダイレクトなメッセージで締めくくられています。

主な要約ポイントは以下の通りです。

 

1. 「ドイツ礼賛」を続ける日本へのもどかしさ

  • 情報のタイムラグ: 日本のメディアや有識者がいまだに「ドイツは進んでいる」「ドイツに倣え」と報じ続けていることへの強い違和感が綴られています。
  • 現場の視点: ドイツに長年住んでいる著者だからこそ見える「崩壊しつつあるインフラ」「高騰する物価」「失われた治安」という現実を、日本の人々はもっと知るべきだと訴えています。

 

2. 「理想主義」という名の病

  • 独善的な姿勢: ドイツが「環境」「人道」という正義を掲げ、他国にまでそれを強要しようとする姿勢がいかに危ういか。あとがきでは、その「理想主義」が結局は自国の経済や国民生活を破壊しているという、本書のテーマを再確認しています。
  • 思考停止への警告: 何かを「正しい」と信じ込み、異論を排除する空気が形成されたとき、国家は判断を誤るという教訓を強調しています。

 

3. 日本人に残された「時間」

  • 反面教師としてのドイツ: 著者は、ドイツはすでに引き返せないところまで来ているかもしれないが、日本はまだ「瀬戸際」に踏みとどまっていると感じています。
  • 現実的な選択を: 日本はドイツの失敗をただ眺めるのではなく、それを「自分たちの未来の姿」と捉え、エネルギー、移民、安保において、地に足の着いた冷徹な議論を今すぐ始めるべきだと説いています。

 

4. 執筆の動機と祈り

  • 日本への愛着: 著者が厳しい筆致でドイツを批判し、日本に警鐘を鳴らすのは、ひとえに「日本に同じ道を通ってほしくない」という母国への深い愛情があるからです。
  • 自立のすすめ: 日本が「外からの評価」や「見栄えの良いスローガン」に惑わされず、自国の国益を淡々と守る「自立した国家」になってほしいという祈りにも似たメッセージで本書は閉じられています。

 

「あとがき」の核心

著者は最後に、「ドイツの失敗は、そのまま日本の明日の姿になり得る」と断言しています。ドイツを「理想の国」として崇めるのをやめ、「失敗の宝庫」として徹底的に分析することこそが、日本を救う鍵であるという強い確信が語られています。

 


日本の作家、拓殖大学日本文化研究所客員教授 川口マーン惠美氏 

川口マーン惠美(かわぐちマーンえみ、Emi Kawaguchi-Mahn、1956年 - )は、日本の作家、拓殖大学日本文化研究所客員教授。大阪府生まれ。日本大学芸術学部音楽学科ピアノ科卒業。1982年、当時:西ドイツのシュトゥットガルト国立音楽大学大学院ピアノ科に入学。1985年、同大学院を修了。同年、技術者であるエバーハルト・マーンと結婚し、そのまま2017年まで、ドイツバーデン=ヴュルテンベルク州シュトゥットガルトに在住。2022年時点はライプツィヒ在住。夫の転勤で2年間に渡って生活した、イラン・イラク戦争のイラクでの経験を元に、1990年に『フセイン独裁下のイラクで暮らして』(草思社)を出版。以後3人の娘の母として子育ての他に執筆活動のほか、ピアノ教師、通訳、翻訳を行っている。2011年、拓殖大学日本文化研究所客員教授に就任。2010年以降は、在住しているドイツに批判的な文章をメインに執筆している。特に原発推進・自然エネルギー懐疑主張のエネルギー政策関連が多いが、専門家やジャーナリストではない。








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  途中まで読んで、読み切れなかった 「ドイツの失敗に学べ」川口マーン恵美著 を、Gemini要約しました。 もう既に分かっている問題ばかりでしたが、「ここまでひどいのか?」という内容でした。 非常に勉強になった本です。 しかし、ドイツは、エネルギー政策、労働政策、環境対策、経済...