2025年9月11日木曜日

「戦後120年談話」茂木誠氏

 

「気に入った、YouTube談話 2025年9月6日

「戦後120年談話」茂木誠氏 


YouTube もぎせかチャンネルに、気に入った談話が載っていましたので、書き起こして掲載します。


ポーツマス条約が結ばれ、日露戦争が終結した1905年9月5日から、2025年9月5日で、戦後120年を迎えました。


歴史観も独立の気概もない今の日本政府首脳を恥じ、茂木誠氏が発表したものです。

さすが歴史の先生ですね。すごい内容の「戦後120年談話」でした。


やはり、この日露戦争終結で、日本は戦争から手を引くべきでしたね。

その時点で、朝鮮半島からも手を引き、国際的にはあくまで自主防衛に終始するべきであったと思います。

しかし今の政治家の歴史観のなさは驚きです。

このままでは、いずれ日本はなくなりますね。




日本の作家、コメンテーター、予備校講師 茂木 誠氏 

茂木 誠(もぎ まこと)は、日本の作家、コメンテーター、予備校講師。歴史系YouTuber。駿台予備学校・N予備校世界史科講師。東京都北区出身。明治大学文学部史学地理学科日本史専攻卒業。当初は考古学専攻に学ぶが、日本史専攻に専攻を変える。明治大学大学院文学研究科修士課程修了。大学院では日本近世史を専攻。高等学校教員から予備校講師に転身。著書に、『経済は世界史から学べ!』(ダイヤモンド社)、『世界史を動かした思想家たちの格闘』(大和書房)、『世界史で学 べ! 地政学』(祥伝社)、『ニュースのなぜ?は世界史に学べ』シリー ズ(SB新書)、『超日本史』(KADOKAWA) 、『日本人が知るべき東アジアの地政学』(悟空出版)、『「戦争と平和」の世界史』(TAC)、『米中激突の地政学』(WAC出版)、『テレビが伝えない国際ニュースの真相』(SB新書)、『政治思想マトリックス』(PHP)、『「保守」って何?』(祥伝社)など。YouTubeもぎせかチャンネルで歴史とニュースについて発信中。



■「戦後120年談話」 茂木 誠 


2025年9月、あの大戦争の終結から120年の記念すべき年にあたり、敵味方の区別なく、国を守るため散った戦没者の勇気と献身を讃え、所感を述べたいと思います。

わが国にとっては、幕末以来ずっと抱いてきた植民地転落への恐怖を最終的に払拭し、列強の一員として欧米諸国に認められ、貴国に代わって朝鮮半島と満州への進出の足掛かりを得た戦いでした。まさに「坂の上の雲」に手が届いたのです。

一方貴国にとっては、それまで断続的に続けてきたアジアへの領土拡大戦争の延長戦であり、簡単に片付くはずの小さな戦争と考えていたでしょう。ところが東アジアの小国にまさかの大敗を喫し、その衝撃から国内で革命運動が発生し、わずか12年後に光栄あるロマノフ王朝は瓦解し、皇帝ニコライ2世一家は惨殺される結果となったのです。

その後の貴国の歩みは、ボリシェヴィキ(多数派)を名乗る少数の極左暴力集団・・共産党に国を乗っ取られ、国民は70年にわたる独裁のもと、言論統制、密告、尾行、強制収容所における迫害と死と隣り合わせの生活が続いたのであります。

痛恨の極みとは、このことでありましょう。

あの大戦争は帝国主義国家同士の最初の激突であったため、第0次世界大戦とも呼ばれます。

国連というものがない時代、国家間の対立はただ暴力のみで解決される時代、帝国主義の時代でした。世界の海はイギリス海軍が制圧しており、貴国は海への出口を求めてシベリアを横断し、日本海へと至りました。不凍港を求めて朝鮮半島東岸を南下した結果、日本の安全を脅かすにいたったのです。

両国は同時期に、欧米の侵略に直面していました。貴国のアレクサンドル2世はクリミア戦争で大敗を喫し、近代化の必要を悟りました。日本の江戸幕府はペリー来航を機に開国に転じ、政権を受け継いだ明治天皇は近代化を推進しました。

両国ともに外貨導入による近代化をせざるを得ず、バクー油田はロンドンの、シベリア鉄道はパリの金融資本が投資しました。英仏両国は貴国の地中海進出を恐れており、シベリア開発に矛先を向けさせたのです。

貴国とバルカン半島を争うドイツは、黄禍論Yellow Perilという人種差別を煽り、貴国を日本との戦いに誘導するため三国干渉に参加しました。こうして追い詰められた日本は、窮鼠猫を噛む形で開戦に追い込まれていったのです。

このタイミングで、イギリスが日英同盟を提案し、日本をロシア包囲網の一環に加えたことは、イギリスの世界戦略からみて当然のことでした。

日本にとっての最大の課題は、財政難でした。国民から徴収する税だけでは軍事費を賄えない。国家予算が3億円だった時代に、日本政府は約8億円の戦時国債を発行しました。しかし日本の敗北は時間の問題とされ、紙屑になる日本国債を誰が買うのか?

このとき手を挙げたのがウォール街のジェイコブ・シフでした。ロシアにおけるユダヤ人同胞への迫害に心を痛めていたシフは、日本を「ロシアを打つ神の杖」と呼び、日本国債を購入しました。シフと同郷のロスチャイルド家はロシアに投資していたわけですから、ロンドンとNYの国際金融ネットワークがこの戦争の資金源だったわけです。

ロシアは敗戦と革命で崩壊し、ロシアへの投資はドブに捨てる結果となりました。一方、勝利した日本は、国債の償還を続け、これは1945年の大日本帝国の敗戦以後も続き、関西したのは1986年でした。

戦争とは本質的にビジネスであり、これは現在進行中のウクライナ戦争でも同様です。かつての日本が現在のウクライナのように分裂していたら、ロシア軍に国土を蹂躙されていたでしょう。

しかしそうではなかった。日本はサムライの国であり、外国による屈辱を甘んじる国民性ではありませんでした。武士道精神を叩きこまれた血気盛んな若者たちが、祖国防衛に立ち上がったのです。

勝敗を決したのが対馬沖で行われた日本海海戦でした。貴国のバルチック艦隊はアフリカを迂回してインド洋を渡り、日本海のウラジオストクに入港しようとしました。東郷平八郎元帥率いる日本の連合艦隊はこれを迎撃し、完膚なきまでに叩きのめしました。

バルチック艦隊の旗艦スヴォーロフも沈没し、司令官のロジェストヴァンスキー元帥は重傷を負って捕虜になりました。佐世保の海軍病院に入院中のロジェストヴァンスキー元帥を東郷元帥が見舞いに訪れ、こう語りました。「軍人として、名誉ある敗北を少しも恥じることはありません。大切なことは、我々がその義務を果たしたかどうかです。

貴官の将兵諸氏は、実に勇敢に戦われた。私は心からの称賛を惜しみません。貴官は偉大な任務を遂行され、途中、はからずも負傷されました。

私は貴官に心からの尊敬をささげます。どうか一日もはやく回復されますように」

ロジェストヴァンスキー元帥は、こう答えました。「私が敗れた相手が貴官であったことは、最大の慰めです」

戦闘は兵士同士で行われ、市民に対する無差別空爆などはなかった。騎士道精神、武士道精神が残っていた最後の戦争でした。これは第二次大戦末期にスターリン率いるソ連共産党の軍隊が行った日本に対する背信的な攻撃、一般市民の殺戮とは著しい対照をなしています。このソ連時代をどう評価するかは、貴国の国民が向き合うべき重い問題です。

日露戦争の戦死者は日本軍9万、ロシア軍8万。1905年9月5日、アメリカの仲介によりポーツマス条約が結ばれ、この戦争は終結しました。

2025年9月、ポーツマス条約120年を記念して日露両国海軍が対馬沖で両国兵士に対する合同慰霊祭を行い、不戦を誓うべきであります。

今の日本政府首脳に、そのような歴史観も独立の気概もないことを恥じるわたくしは、一日本国民としてこの談話を捧げます。

日本国民 茂木誠




素晴らしい「戦後120年談話」でした。政治家にも是非聞かせたいですね。








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