私が気に入った新聞コラムから学んだこと。
ああ日本の8月よ
被爆地に生まれた僕が言いたいこと
シンガー・ソングライター さだまさし氏
私の好きな音楽家です。
敗戦の日8/15に今の日本を考えると、さだまさし氏の見解は大いに共感できるところがあります。
やはり教育が一番大事ですよね。100年後の日本の姿を明確に示し、夢を語ってくれる人が指導者になってくれるまで待つというのも悲しいことですね。
日本のシンガーソングライター、俳優、タレント、小説家 さだまさし氏 |
ああ日本の8月よ
被爆地に生まれた僕が言いたいこと
日本人は1年の内、8月だけしか平和について考えない、と皮肉を言われるが、テレビ番組を観ていれば成る程と思う。普段は現実逃避のように温度の低い笑いで埋め尽くしている癖に原爆忌、終戦の日になると突然、真顔で反省やらお詫びやらを口にする。これでは建前にしか見えないだろう。
広島の8月6日午前8時15分、長崎の8月9日同11時2分という投下時刻まで覚えろとは言わないが、被爆地生まれとしては、せめて日にちくらいは知っていてほしい。僕は原爆投下から6年8カ月後に長崎で生まれた。当時市内の新生児は全員、「検査すれども治療せず」で悪名高いABCC(原爆傷害調査委員会)で検査された。
結果は何でもなかったが僕の背中の痣が原因で、母は僕を連れて3度通ったという。子供の頃、原爆の爪痕はまだまだ町中に残っていたし、大好きな叔母や叔父が被爆者だったので、原爆を落とした国が今は日本を守っているという理屈が全く理解出来なかった。
子供の正義感は正直なもので、外国に自分の国を守って貰うという矛盾を呑み込めなかったのだが、これは今でもだ。いや、もう子供じゃないから事情は嫌になる程判っているので何も今更急に米軍を追い出せだの、自主独立などとは恥ずかしくて言えない。その辺の心はほぼ折れた。日本国首都の制空権の一部を米軍が握っていることは大いに遺憾であるが、正論が通らない事情も理解している。
ああ大人になるってやだね。一般人でも悩むのだから世界も相手にせにゃならん国政政治家は大変だろう。日米安保条約に於ける地位協定ひとつ触るのが怖いという肩身の狭い哀れな事情は大いに同情するが情けない。しかも経済経済とお金の話ばかりするから国民の心根はずんずん卑しくなる。
政治に求めるものは銭勘定だけではない筈。罪を犯してもお金が欲しいなどと若者の心がお金に対して曲がって育つのも、肉親が殺し合う悲惨な社会も、家庭教育も含めた教育の貧しさの証明ではないのか。尤も親になる人をきちんと教育できなければ家庭教育もへったくれもないが。
国の100年後を思うのであれば、最も大切なものは教育であるべきだろう。次が外交・安全保障で、経済は3番目だと思う。目先の政局ばかりに汲々としているから、日本が既に2等国以下に成り下がったことにも、この凋落が始まったのも取り戻せるのも全ては人々の「心」からだ、ということにも気づかないのだろう。100年後の日本の姿を明確に示し、夢を語ってくれる人が指導者になってくれるまでこの生命はとても持たんぁ。ああ愛しき日本の8月よ。
0 件のコメント:
コメントを投稿