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正すべきは国の災害支援のあり方
直球&曲球 野口健 能登半島地震直球&曲球
登山家、環境活動家 野口健氏 |
野口 健(のぐち けん、1973年8月21日 - )は、日本の登山家、環境活動家。亜細亜大学国際関係学部卒業。NPO法人PEAK+AID(ピーク・エイド)代表(2020年時点)として、ヒマラヤ・富士山での清掃活動といった環境保護への取り組み、また遭難死したシェルパ族の子どもたちへの教育支援「シェルパ基金」やヒマラヤでの学校建設・森林づくり、第二次世界大戦の戦没者の遺骨収集などの社会貢献活動を行っている。
正すべきは国の災害支援のあり方
直球&曲球 野口健
能登半島地震の発生から50日以上が経過した。これまでに7回、被災地に入り、避難所や在宅避難されている方々に、8666個の冬山用寝袋を届けた。それでも寝袋を求めて、朝の6時から行列ができることも。「届けても、届けても」求める人々の姿はなくならない。その悲痛な声をずっと受け止めてきた。
驚くのは、いまだに在宅避難や車中泊をされている方がとても多いということだ。「毛布1枚しか与えられず敷布団もなく、段ボールを敷いて寝ている」という被災者の声を聞き、この国は果たして先進国なのか、と悔しさのあまり、涙した。
久々に被災地から戻りテレビをつけたら国会中継をやっている。野党の追及は、自民党の派閥の政治資金パーティーの問題ばかり。「政治とカネ」への追及は理解するが、今まさにこの瞬間、国に助けを求めている多くの被災者がいるのだ。正すべきは国の災害支援のあり方であり、災害関連死をいかに防ぐかということではないのか。
被災自治体のある首長は「あの人たちは自分の意思で避難所に来ないのですから」と話していたが、実際にお会いしてみると実にさまざまな事情がある。ペットを受け入れる避難所が少なく一緒に車中泊をされている方や、家族で避難所に身を寄せたものの「家が壊れていないのになぜ狭い避難所にきたのか」と指摘され、電気も水道もない自宅に戻らざるを得なかった人もいた。その家族は真っ暗闇の中、がれきに囲まれ、一軒だけポツンと残された家で身を寄せ合うようにして過酷な生活を懸命に耐えていた。
もしも、もっと大規模な「南海トラフ地震」や「首都直下型地震」が発生したらこの国は本当に終わってしまうのではないか。
〝避難所ガチャ(当たりハズレがあるという意)〟という言葉を耳にしたが、避難所によって格差が生じてはならない。避難所に何を用意するのか、全国統一のルールを策定すべきだ。また各自治体で寝袋を用意し、備えておくこと。長期間、寒さにさらされる被災者の姿を見るのは今回で最後にすべきである。
倒壊した家屋=石川県輪島市 |
全くその通りですね。
政治家は何をしているのやら。
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