私が気に入った新聞コラムから学んだこと。
互いに忘れない日本とトルコの絆・野口健
登山家 野口健氏
私の好きなアルピニスト野口健氏
目に見えないところでしっかり活動している人。素晴らしいと思います。
地震で倒壊した高層住宅=トルコ南部アンタキヤ(佐藤貴生撮影) |
登山家 野口健氏 |
野口 健(のぐち けん、1973年8月21日 - )は、日本の登山家、環境活動家。亜細亜大学国際関係学部卒業。NPO法人PEAK+AID(ピーク・エイド)代表(2020年時点)として、ヒマラヤ・富士山での清掃活動といった環境保護への取り組み、また遭難死したシェルパ族の子どもたちへの教育支援「シェルパ基金」やヒマラヤでの学校建設・森林づくり、第二次世界大戦の戦没者の遺骨収集などの社会貢献活動を行っている。
互いに忘れない日本とトルコの絆 野口健
トルコ・シリア大地震の発生から約2カ月。寒い被災地で凍えている被災者へ冬山用の寝袋を届けようとスタートした活動は、最初の1カ月で約6000個の寝袋を届け、次に停電で暗い被災地に灯(あか)りを届けようとソーラーランタンを集めることにした。
いまだ約250万人もの人々がテント生活を余儀なくされている。東日本大震災でもそうであったように被災地の夜はとても暗く、長い。熊本地震では、車中泊対策にテント村を開設し、約600人の方々と共同生活を行ったが、夜が近づいてくる度に気持ちが重たくなった。その時、寄付していただいた大量のランタンを全てのテントに配った。160張(はり)ある大型テントが一斉に明かりを灯(とも)す。まるで辺り一面に蛍が舞うような光景は生涯忘れないだろう。灯(あか)りは人々の心を救う。
歌手のさだまさしさんが「一緒にやりましょう!」と協力していただき、あっという間に全国から1万1000個以上のソーラーランタンが集まり、既にその大半はトルコに届けられた。
トルコのギュンゲン駐日大使からは「迅速なサポートに感謝しています。ソーラーランタンは、暗い被災地では重要なアイテム。どうして日本人はトルコのためにここまでやってくれるのですか」と感謝の言葉をいただいた。
これに対して僕は「テヘランの恩返しです」。1985年のイラン・イラク戦争。民間機さえ無差別攻撃を受けかねない危険な状況の中で、イランのテヘランに取り残された邦人215人をトルコ航空機が決死の飛行で救出してくれたことがあったのである。
ギュンゲン大使が「日本人は40年近くも前のことを覚えているのですね」。僕は「あなたたちこそ100年以上も前のことを忘れないでいてくださっています」と。
ギュンゲン大使は僕に手を差し伸べながら「1890年のエルトゥールル号遭難で日本人に助けてもらったこと。私たちは決して忘れません。イランでの救出はその恩返しだったのです」。僕は「その恩返しの恩返しが寝袋、ソーラーランタンなのです」と強く握手を交わした。
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